認知心理学から読み解く「好き」の感情:既視感から認知的不協和まで

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外コン歩兵です。当ブログにお越し頂き有難う御座います!
最近はビジネス関連のお勉強チックな投稿が続いていたので、今回は私が初めて訪れた街を「何となく」好きになった実体験から、物事を「好き」になるプロセスを深堀してみたので共有します。

私たちは何故、自分が一度も経験したことのない場所で、不思議と懐かしさや親近感を覚えるのでしょうか?その奇妙な感覚こそが、私たちが何かを好きになるための第一歩であると考えています。

既視感

最初のステップとなるのは、眼前の経験と過去の経験との間に、私たちが無意識的に感じる繋がりです。これは、新たな経験が、過去の記憶や経験と何らかの形でリンクし、未知の物物事に対して親近感を生むという現象で、まるでデジャヴのような感覚を呼び起こします。

例えば、初めて足を踏み入れた街で、その風景や雰囲気がどことなく自分の故郷を思い出させるとしましょう。それは、街の構造や雰囲気が単に似ているだけかもしれません。しかし、そのような些細な一致さえも、我々の心を引きつけ、興味を引き立てます。この時点で、私たちはその街に対してすでに一定の愛着を感じ始めているのです。

ツァイガルニック効果

次に、この親近感や既視感がその場で解消されない場合、私たちはその感覚について思考を巡らせます。「あの街のどこが自分にとって惹きつけるのだろうか」「他に似た雰囲気の街は存在するのだろうか」という問いを、私たちは意識的でも無意識的でも、頭の中で繰り返し考えます。この過程が、私たちの興味を継続的に煽り、一つの思考がどんどん深まっていく、これこそがツァイガルニック効果というものです。

スリーパー効果

また、同じような経験が増えてくると、私たちの思考はさらに複雑になります。様々な街を訪れる中で、「あの街の魅力は、個人経営の飲食店が多く、地域に根付いているからだ」という答えに行き着いたとします。そこから、新たな疑問が浮かんできます。「では、他の街でも同じような魅力を感じるのだろうか?」このような複数の問いが同時に浮かんでくることによって、我々はアジャイル的にこれらの思考を繰り返すことになります。これがスリーパー効果です。

コミットメント

このようにして、私たちは次第に自己の感情や興味について深く探求し、認識を深めていきます。そして、最終的に私たちは自分の思考の検証をするために、能動的な行動を取ります。私たちが「個人経営の飲食店が多く、地域に根付いている街が好きだ」という理解に到達したとしたら、次に訪れる旅先をそれに基づいて選ぶことになるでしょう。これが、認知的不協和の解消のためのコミットメントです。

まとめ

こうして考えてみると、人が物を好きになるには、1.既視感や親近感を覚える共通点の発見、2.その感覚についての思考、3.思考の継続、4.思考結果の検証という4つのステップが必要となることが見えてきます。

そして、これらのステップを一次情報として高い鮮度で受け取るためには、自分自身の経験の深さと幅が重要な要素となってくるのです。初めての街を訪れた際に「いい街だな」と感じたその瞬間から始まるこのプロセスは、我々が自分自身を理解し、感じることができる力が強く関わっているのです。

ここまで読んでくださった皆さまには、この考え方をさらに深く、具体的に探求した以下の書籍をお勧めします。新たな興味や好みを見つける旅は、自己理解と自己発見の旅でもあります。私たちが自分自身についてより深く理解することで、私たちの周りの世界もまた、より鮮やかに、より深く、感じることができるようになるのです。

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